景気指標の見方

景気ニュースを実務へ生かすには、数字の上下を眺めるだけでなく、何が先に動き、現在はどうで、何が後から確認できるかを分けます。さらに、景気全体の数字を自社の受注・在庫・採用・投資へ接続します。

先行で予兆を探し、一致で現在地を確認し、遅行で仮説を検証します。それぞれでCIは動きの強さDIは広がりを見ます。

景気動向指数の読み方先行指数、一致指数、遅行指数の時間軸と、CIが強さ、DIが広がりを示すことを表した図 現在 先行指数数か月先の予兆在庫率・求人・受注など 一致指数足元の現在地生産・販売・利益など 遅行指数事後の確認雇用・投資・物価など CI動きの強さ・テンポDI改善の広がり
先行指数数か月先の予兆在庫率・求人・受注など
一致指数足元の現在地生産・販売・利益など
遅行指数事後の確認雇用・投資・物価など

CI 動きの強さ・テンポ
DI 改善の広がり

景気の時間軸と測るものを分ける。CIとDIは先行・一致・遅行のそれぞれにあります。

まず「どのDIか」を確認する

内閣府の景気動向指数DIは、3か月前より改善した採用系列の割合です。一致DIは50%を上回ると改善が広がる傾向があります。日銀短観の業況判断DIは「良い」の回答割合から「悪い」を引き、0が境目です。名称を確認せず数値だけ比べてはいけません。

知りたいこと最初に見る指標次に確認すること
数か月先に備えたい先行指標構成系列と自社の引合い・受注
足元の景気を知りたい一致指標とCI移動平均、DI、寄与度
判断が正しかったか確認したい遅行指標雇用、投資、価格への波及
動きの大きさを知りたいCI単月ではなく数か月の方向
変化の広がりを知りたいDI計算方法と個別系列

5ステップで事業判断へ変える

  1. 統計名を確認する公表主体、対象月、速報・改訂、季節調整の有無を記録します。
  2. 時間軸を決める予兆、現在地、事後確認のどれを知りたいかを選びます。
  3. 強さと広がりを分けるCI、DI、寄与度で一部の大幅変化か幅広い変化かを見ます。
  4. 自社データと照合する同じ対象期間の引合い、受注、在庫、粗利、採用を並べます。
  5. 行動と再確認日を決める段階的な発注や採用など戻せる対応から始め、次回公表後に検証します。

組み合わせ別の読み方

CIDI考えられる状態確認すること
上昇上昇強さと広がりがともに改善自社の受注・稼働率が追随しているか
上昇低下一部系列の大幅改善かもしれないCI寄与度と業界差
低下上昇改善は広がるが一つ一つは弱い可能性変化幅と持続期間
低下低下弱さが広がる可能性一時要因、移動平均、自社の資金繰り

会議で使える確認メモ

観測: どの指標が、いつ、どれだけ変わったか

仮説: 自社のどの顧客・商品・地域へ、どの経路で影響するか

証拠: 引合い、受注、在庫、粗利、採用のうち何が同じ方向か

対応: 今月行う小さな変更と、実行しないこと

再確認: 次の統計公表日と社内レビュー日

景気循環の「波」と統計を混同しない

キチンジュグラークズネッツコンドラチェフは、異なる時間軸の循環仮説です。公式の景気の山・谷を決める固定周期ではなく、現代の景気転換時期を年数だけで予測できません。

根拠資料:内閣府 景気動向指数 / 内閣府 利用の手引 / 内閣府 個別系列 / 日本銀行 短観FAQ

最終確認日:2026-08-12 系列改定、算出方法、基調判断の変更時に更新します。

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