キチンの波

キチンの波は、在庫の積み増しと調整に注目した短期の景気循環です。一般に約3〜5年の目安で紹介されますが、一定間隔で必ず繰り返す予測表ではありません。

需要見込みと実需のずれが、在庫、発注、生産、資金繰りへ連鎖する仕組みを理解するために使います。

在庫が波を作る仕組み

  1. 需要増販売が伸び在庫が減る
  2. 増産・発注欠品を避けて積み増す
  3. 需要鈍化見込みより販売が落ちる
  4. 在庫調整値引き・減産・発注削減

調整が進み在庫が適正化すると、次の受注・生産回復につながる場合があります。Joseph Kitchinは1923年の論文で複数の経済系列の短い循環を分析しました。

現代では周期より連鎖を見る

需要予測の高度化、EC、サプライチェーン寸断、半導体などの長い納期、定額サービスの普及により、在庫の持ち方は業界で大きく違います。「40か月たったから反転する」といった使い方はできません。

三つの在庫を分ける

在庫確認すること
原材料調達リードタイム、代替可否、価格変動
仕掛品工程の停滞、歩留まり、ボトルネック
製品販売速度、値引き、陳腐化、返品

自社で追う指標

  • 在庫回転日数と滞留在庫
  • 受注残、キャンセル率、販売数量
  • 発注から納品までの日数
  • 値引率、廃棄率、在庫資金

売上だけが伸びていても在庫日数が先に悪化していれば、需要鈍化や発注過多を疑います。逆に欠品が増えるなら、在庫削減が販売機会を損なっていないか確認します。

仕組みを整える

店舗ではPOSデータを商品別・時間帯別に確認し、発注単位と安全在庫を見直します。システム導入前に、誰がどの頻度で在庫差異を確認し、何を基準に発注を変えるかを決めます。

根拠資料:Joseph Kitchin, Cycles and Trends in Economic Factors / 内閣府 景気動向指数 個別系列

最終確認日:2026-08-12 循環の年数は目安であり、固定周期とは扱いません。

 

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