TNFDとは?4つの柱・LEAPアプローチと企業の進め方

TNFDは、企業や金融機関が自然への依存・影響と、そこから生じるリスク・機会を把握し、意思決定と開示へ組み込むための提言です。気候変動だけでなく、水、土壌、生態系、原材料、立地との関係をバリューチェーンまで見ます。

自然への依存と影響を起点に財務との関係を見る

概念意味飲料事業の例
依存事業が自然の機能・サービスに頼ること安定した水量、水質、作物、受粉
影響事業が自然の状態を変化させること取水、排水、土地利用、包装廃棄物
リスク依存・影響の変化が事業へ不利益を与える可能性渇水、規制、原料価格、評判、座礁資産
機会自然の回復・効率化から生じる事業上の可能性節水、再生農業、代替材料、地域連携

森林や生物種の数だけを調べても、経営への影響は分かりません。どの拠点・調達先が何に依存し、どの活動が自然へ影響し、それが売上、費用、資産、資金調達、事業継続へどうつながるかを整理します。

開示は4つの柱で整理する

ガバナンス取締役会の監督、経営の役割、ステークホルダーとの関係
戦略依存・影響・リスク・機会と事業戦略、レジリエンス
リスクと影響の管理特定、評価、優先順位、全社管理への統合
指標と目標測定指標、基準年、目標、進捗

TNFD提言は2023年9月に公表された自主的な情報開示の枠組みです。TNFDに沿うこと自体が世界共通で一律に法的義務となるわけではありませんが、各国の制度、取引先要請、投資家対話で参照されることがあります。

LEAPで場所から優先課題を絞る

LEAPは機械的に一度だけ通る監査手順ではありません。事業範囲と仮説を決め、場所・依存・影響の情報が増えたら前の段階へ戻ります。特に自然は場所によって状態と重要性が変わるため、国単位の平均値だけでなく、可能な範囲で拠点・流域・調達地域を確認します。

飲料事業を調べる例

  1. 範囲を定める自社工場、主要原料、包装、物流から重要候補を選ぶ
  2. 場所を特定する取水地点、流域、原料産地、保護上重要な地域との近接を見る
  3. 依存・影響を確認する取水量、水質、排水、農法、土地利用、廃棄を整理する
  4. 事業影響へ変換する操業停止、調達費、許認可、設備投資、顧客要求との関係を見る
  5. 対応と指標を決める回避・削減・回復の順で責任者、期限、基準年、測定方法を定める
  6. 開示し改善する範囲、方法、データ不足、次の調査を説明する

最初から全サプライヤーの完全なデータを求めると調査が止まります。売上・調達額だけでなく、水ストレス、自然上重要な地域、代替困難性、影響の重大性から優先順位をつけます。気候と自然のデータを共用する場合も、Scope 1・2・3の排出量だけで自然全体を表せるとは考えません。

主張は範囲と根拠を添える

「ネイチャーポジティブ」「自然への影響ゼロ」といった表現は、対象、基準年、場所、バリューチェーン、残る影響を明確にします。方針と実績を分け、未評価の範囲を隠さないことが重要です。

参考情報

最終確認日: 2026年8月31日。最新のTNFDガイダンスと、自社に適用される開示制度を別々に確認してください。

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