終身雇用

終身雇用は、企業が主に正社員を長期に雇用し、従業員も同じ企業で定年まで働くことを期待する日本型の雇用慣行です。法律上の制度名でも、定年までの雇用を無条件に保証する契約でもありません。

終身雇用、無期労働契約、解雇規制は別の概念です。長期育成と雇用安定の利点を保ちながら、専門職・中途採用・シニア・本人のキャリア選択をどう組み込むかで考えます。

似ている3つの概念を分ける

概念意味誤解しやすい点
終身雇用定年までの長期雇用を期待する慣行法律上の保証ではない
無期労働契約契約期間の終期を定めない契約職務・賃金が将来不変とは限らない
解雇のルール終了判断に合理性等を求める法的枠組みどの解雇も一律に禁止する意味ではない

日本型雇用の一部分

終身雇用は、新卒一括採用、企業内教育、幅広い配置転換、年功的な賃金・昇進と組み合わされてきました。ただし、すべての企業・労働者へ同じ程度に当てはまったわけではなく、大企業の正社員を中心に説明されることが多い概念です。

企業と働く人の利点・課題

視点利点課題
企業長期育成、知識蓄積、配置の柔軟性固定化、専門人材の処遇、人件費構造
働く人雇用安定、社内キャリア、能力開発社外での能力可視化、転職時の賃金差
労働市場企業内で調整しやすい職種間移動や再挑戦を阻む場合がある

「崩壊したか」ではなく適用範囲を見る

転職市場や専門職採用が広がっても、長期雇用や企業内育成が直ちになくなるわけではありません。厚生労働省の労働経済白書も、日本的雇用慣行が変化する中で転職市場や企業と労働者の関係を分析しています。業界、企業規模、職種、年代、雇用形態を分けて確認します。

制度設計で確認する5点

  1. 長期育成する職務を決める社内経験が価値になる範囲を明確にします。
  2. 専門職の市場価値を反映する社内年次だけで処遇しません。
  3. 中途採用者の入口をそろえる等級・評価・昇進条件を説明します。
  4. 本人の選択肢を作る社内公募、学習、職種転換、社外挑戦を用意します。
  5. 定年後まで接続する役割、賃金、能力開発を再雇用直前にだけ決めません。

根拠資料:厚生労働省 令和7年版労働経済の分析 / 厚生労働省 令和6年版労働経済の分析 / 厚生労働省 労働契約に関する法令・ルール

最終確認日:2026-08-13 労働経済白書、雇用慣行・労働契約制度の大きな変化時に更新します。

 

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