ビジネス敬語一覧|尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分け早見表
ビジネス敬語で迷ったら、表現を暗記する前に「誰の動作か」「その行為は誰に向かうか」を確認します。相手側の動作なら尊敬語、自分側から相手へ向かう動作なら謙譲語I、自分側の動作を聞き手へ丁重に述べるなら謙譲語IIが基本です。
図解:誰の動作かで敬語を選ぶ
図を文章で確認する
- 相手・取引先・お客様の動作なら、尊敬語を選びます。
- 自分・自社側の動作で、相手へ向かう行為なら謙譲語Iを選びます。
- 自分側の動作を聞き手へ丁重に述べるなら謙譲語IIを選びます。
- 文末は丁寧語、物事を上品に表す場合は美化語で整えます。
文化庁の5分類と、一般的な3分類
一般的な敬語解説では、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3分類が使われます。文化庁の「敬語の指針」は、敬意の働きを明確にするため、謙譲語をIとIIに分け、美化語を加えた5分類を示しています。仕事では3分類で全体をつかみ、迷った表現を5分類で確かめると実用的です。
尊敬語
相手の動作・状態を高めます。「おっしゃる」「ご覧になる」など。
謙譲語I
行為の向かう先を立てます。「伺う」「申し上げる」など。
謙譲語II
自分側の動作を丁重に述べます。「参る」「申す」など。
丁寧語・美化語
「です・ます」で文を整え、「お料理」などで物事を上品に表します。
よく使う動詞の敬語早見表
同じ動詞でも、主体によって選ぶ語が変わります。表の語をそのまま差し替えるだけでなく、文の主語と状況が合っているか確認してください。
| 基本形 | 尊敬語 相手側 | 謙譲語 自分側 |
|---|---|---|
| する | なさる | いたす |
| 言う | おっしゃる | 申し上げる/申す |
| 見る | ご覧になる | 拝見する |
| 聞く・尋ねる | お聞きになる/お尋ねになる | 伺う/拝聴する |
| 行く | いらっしゃる/おいでになる | 伺う/参る |
| 来る | いらっしゃる/お見えになる | 参る |
| いる | いらっしゃる | おる |
| 会う | お会いになる | お目にかかる |
| 知る | ご存じだ | 存じる/存じ上げる |
| 食べる・飲む | 召し上がる | いただく |
| 読む | お読みになる | 拝読する |
| 受け取る | お受け取りになる | いただく/拝受する |
| 借りる | お借りになる | 拝借する |
| 分かる | お分かりになる | 承知する |
「承知する」は「分かる」と完全に同じ意味ではなく、事情を理解して受け入れる場面に使います。「拝受」「拝読」は主に改まった書き言葉で使われます。
場面別にそのまま確認できる例
来客を案内する
「会議室へ参られますか」
「会議室へいらっしゃいますか」
自分が案内するなら「会議室へご案内いたします」。
電話で担当者を確認する
相手先へ:「営業部の山田様はいらっしゃいますか」
自社の担当を社外へ:「担当の田中は席を外しております。戻り次第、田中からご連絡いたします」
メールで資料の確認を依頼する
「添付の見積書をご確認ください。数量に相違がなければ、8月14日までにご返信をお願いいたします」
敬語だけで依頼を曖昧にせず、対象、期限、相手にしてほしい行動を書きます。メール全体の組み立てはビジネスメールの基本を参照してください。
自社の上司を社外へ伝える
「部長の田中がおっしゃっていました」
「部長の田中が申しておりました」
間違いやすい敬語と直し方
| 間違いやすい表現 | 確認点 | 自然な例 |
|---|---|---|
| お読みになられる | 尊敬語を一つの動詞に重ねている | お読みになる/読まれる |
| 申されました | 相手の動作に謙譲語を混ぜている | おっしゃいました |
| ご覧いただけますか | 「相手に見てもらう」という依頼なら使える | 閲覧できるかを聞くなら「ご覧になれますか」 |
| 了解しました | 誤りと断定はできないが、相手や組織の慣行に配慮する | 承知しました/かしこまりました |
| させていただきます | 許可と恩恵の関係があるか | 必要がなければ「いたします」 |
二重敬語の例外と敬語連結では、形が似ていても扱いが異なる例を詳しく説明しています。
送信・発言前のチェックリスト
- 動作の主体が相手側か自分側かを確認した
- 行為の向かう先と、敬意を向ける相手が一致している
- 一つの動詞に同じ種類の敬語を重ねていない
- 主語、要件、期限が敬語に埋もれていない
- 社外へ自社の人を過度に高めていない